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Jリーグ Division2 2005シーズン
トレーニングマッチ アビスパ福岡 1 - 1 浦和レッズ 先日の蔚山戦のレポートを見て頂き、柏サポータの方から落合についてメールを頂いた。柏時代にも同じように熱くなって乱入したサポータに対して他の選手が傍観している中、まず最初に制止にいったのが落合らしい。人間味にあふれる選手だと言うことを教えてもらってますます応援したくなった。 ☆ 2005/2/19にKKウイングで行われた福岡のトレーニングマッチを見学してきた。それにしてもKKウイングは鳥栖と水原戦を見に行ったときも寒かったが今回の福岡VS浦和戦も曇りがちで途中から冷え込み非常に寒かった。しかし、試合内容はうってかわって熱い内容であった。 ◆福岡の守備組織 初めに言っておこう。福岡の守備組織は際だってよかった。筆者の友人の福岡サポータも米田、増川が抜けて危ぶんでいたがその心配はいまのところはしなくてもよいという報告をしておいた。米田、増川の変わりと言っては何だが岡山と松下が無難に守備をこなしていた。特に岡山は対人にも強く、上背もありロングボールに対しても効いていた。後半やや崩れる場面があったが大きく崩れる場面はなかった。中盤はホベルトが運動量豊富にボールによせていくので松下はスペースを埋めるだけでよく、バランスという面では二人の主力が抜けた穴はある程度は埋まったと言ってもいいだろう。
上の図は鳥栖がDFラインでボールを回しているときの福岡の布陣の想定図である。中盤のサイドの選手(この日は宮崎もしくは中村北斗)がボールに対してチェックに行く。FWはボールを囲むようにしてパスコースを限定する。中盤はボランチの二人と逆サイドの三人の選手でラインを形成し、DFも最終ラインでフラットなラインを形成する。ただし、DFラインは積極的にオフサイドトラップをしかけるわけではない。FWの動きを見ながらラインをつくるような形だ。鳥栖のDFラインからボールがでたら網にかけたようにボールを奪いに行く。例えば一柳が宮原にボールを出したとするならばボランチとDFでボールを挟み込みに行き、鳥栖側がFWに対してロングボールを出したならば上背のある岡山、千代反田、そして右サイドバックにいた川島でボールを跳ね返す。以上のような形で守備組織を形成していた。バイタルラインに入って来る前は比較的自由にボールを持たせてもらえるが、バイタルライン近くに入ってきた時に一気にプレスと挟み込みでボールを奪いにかかってくる。 しかし、そんな組織的な守備でも一瞬にして壊れる瞬間はある。それは一人の選手の個人技だ。個人的には浦和で一番好きな選手である長谷部が素晴らしい突破を行った。DFラインから長谷部にボールが渡る。福岡の中盤が一気に寄せにかかる。ドリブルによって突破を試み、そしてかわす。プレスをかけられてもドリブルによってかわした時には残りはDFラインしか残っていない。長谷部はFWにスルーパス、自らドリブル、サイドの選手にはたくと様々な選択肢ができあがる。組織的な守備は個人技によって簡単にほころぶものなのである。 ただ、ここまで言っておいておいて何なんだが、残念ながら鳥栖には長谷部クラスの選手はいない。しかし、個人技でなくても組織によって3ラインのディフェンスを崩す手だてはもちろんある。それは相手DFラインとMFのラインの間の使い方にある。図を参照して頂きたい。
相手はこのエリアにボールが入って来たときにプレスを行う。ではそのプレスをかいくぐるにはどうしたらよいか。まずは、このエリアを大きく空ける事が重要である。スペースが空くということはこのエリアにいる選手にボールが入ったときに相手の選手のプレスが遅れる。プレスが遅れると前を向いて自由にボールを扱うことができる。つまり前述の長谷部のような状態がドリブルでかわすことなく生まれるのである。 さて、ではそのスペースをつくるためにはどうしたらよいか。それは単純にして当たり前の動きであるが、FWが裏へと抜ける動きを逐一行う事である。試合開始当初はオフサイドにかかったりしてチャンスは生まれないかもしれない。しかしその動きを続けていくうちに警戒して徐々にDFラインが下がりはじめ、そして裏に抜けるのが一度でも成功するとDFラインはあげる事を怖がっていく。DFラインとMFのラインが間延びするまで地道に飛び出しとライン裏へのボールを繰り返す事がディフェンスのほころびを生む第一歩である。 もう一つ、このエリアを使う方法はFWが下がってわざとこのエリアでボールを受けることにある。ボールを受けると当然の如くプレスがかけられると同時に相手のDFラインが上がってくる。FWがポストとしてキープでき、中盤の選手(両サイドとトップ下)が飛びだしてそこへボールを出すことができれば当然チャンスが生まれる。選手が飛び出して行けば福岡のDFラインは徹底的にオフサイドトラップをしかけるわけではないので飛び出す選手につかざるを得ず、相手のラインは崩れてくる。ラインが崩れるとフリーの選手ができる可能性が増し、そこを使うことができればチャンスが生まれる。ただし、これはポストプレイヤーに相当のキープ力とパスセンスが要求される。 また、鳥栖がチャンスを作れる攻撃は相手のサイドチェンジのミスからの展開もありえる。福岡の攻撃については下で述べるが相手の裏へ出そうとするパスとサイドを大きくかえるパスがほぼ生命線であった。その生命線のサイドチェンジの大きなパスをホベルトと松下が精度を欠いてミスをする場面が見られた。いい位置でカットできれば相手のDFラインが整う前に素早い攻撃をしかけることができる。 浦和が決定的なチャンスを迎えた場面でアレックスの裏をついた岡野の走り込みがあった。福岡が攻める時間帯になるとアレックスが攻撃に参加する。ボールをカットした場合、その裏を使うとチャンスが訪れる。実際に浦和はこの試合で岡野がその裏へ走り込んでドリブルで右サイドを破りセンタリングを上げて横山がヘディングシュートというチャンスがあった。当たり前であるがカウンター時には相手のサイドのスペースを有効に使いたい。 ◆福岡の攻撃 福岡の攻撃の良かった展開を2つ程。
右の図は中村北斗が三都主からボールを奪ってからの展開である。(後半から右サイドバックに入った中村北斗は三都主を完全に抑えこんでいた)中村北斗が一対一でボールを奪ってすぐにトップの林にあて、三都主がいなくて空いていたスペースに向けて有光が走り出す。そこへ林から絶妙のスルーパス。有光はドリブルで右サイドを独走し、最後はチェックにきた坪井を中央への切り返しで交わして左足でシュート。ボールを奪ってからゴールを奪うまでの展開がものすごく早く、しびれた攻撃であった。 この試合で有光はかなり動きがきれていた。逐一相手の裏へ走ってボールを引き出す動き、そしてその動きに対応してボールを出すボランチと両サイド。有光の動きを周りが理解している攻撃が見られた。ただし今回の有光の動きは相手が浦和だったからこそ成功したものであるというのも感じた。それは浦和は両サイドが(特に三都主が)高い位置にいてDFラインの両側に大きなスペースが空いていたのである。そこで上記の攻撃のようにボールを奪って早めにそのスペースを使えば有光のスピードを利用して断然優位な状況で攻撃に移ることができる。逆に言えば両サイドのスペースをつぶせば有光の攻撃力は半減する。鳥栖としては3バックの一番の欠点であるサイドのスペースをつぶさないといけない。
上の図は、浦和のディフェンスラインが整ったときの福岡の攻撃の陣形である。両サイドが張り出し、FWが下がってボールを受けて両サイドへの展開を生み出そうとする。福岡はボランチがバイタルエリア近くに入ってくるような攻撃(ボランチがトップ下の動きをする形)が少ないのでFWのポストプレーが重要になる。この試合では林と太田にはエジウソンのようにボールをキープして前を向き、決定的なパスをだせるようなプレーがなかったためあまり機能はしていなかったように思える。浦和のディフェンスラインが整うと有光がしかけるスペースがなくなるためにやや手詰まりな印象を感じた。 結局有光の飛び出し以外での決定的なチャンスというのはセットプレー以外には見られなかった。(アレックスのコーナーキックから太田のフリーでの決定的なヘディングシュートというのはあった。)福岡が押していた時間帯もあったが、サイドに展開して古賀がシュートというシーンや宮崎が中央にドリブルしてシュートというシーンは見られたが、決定的なチャンスという程ではなかったと思う。幸いにも(?)福岡はエジウソンと山形(運動量(フリーランニング)やドリブルによる突破力等々福岡では一番のサイドプレイヤーだと思う)は開幕には間に合わない可能性がでてきたらしい。鳥栖が守備の上で注意することは… 1.有光の飛び出すスペース(特に両サイドの裏)を与えない。 福岡のボランチは積極的にミドルシュートをうつタイプではないので必要以上に警戒する必要はないかもしれないが、ホベルトがたまに強烈なシュートを放つのでそこは鳥栖の選手のキーパーの技術を信頼………うん、信頼しよう(笑) ただ、スペースを与えないことを気にするあまりに両サイドが下がりすぎると蔚山戦のような状況を生み出す。当然、守ってばかりでは点は入らないし時には危険を承知の上で(自陣にスペースが空くのも承知の上で)攻撃をしかける必要もある。そのあたりのバランスは監督の指示にもよると思うが是非とも開幕戦の勝利を期待したい。
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