Jリーグ Division2 2005シーズン

  番外編 その1 

2005.03.03

ついに今週末に待ちに待った今年のJリーグ開幕の日がやってくる。しかもただ単なる開幕戦と言うだけでなく、ホームでしかも宿敵福岡を迎えての一戦であるので気持ちは否が応でも盛り上がる。今回は試合の観戦記ではなく開幕戦での予想スタメンと展望を述べたい。

◆ 両チームスタメン予想

両チームの練習試合をいくつか見てきたが、システム的には福岡は4-4-2のボックス型であることは間違いないだろう。松田監督としても3年目のシーズンになるのでこれまで築き上げてきた自分たちのサッカーを貫く姿勢でくるはずだ。対して鳥栖であるが、最後の練習試合で4-4-2のシステムを試していた。J's Goalの予想スタメンも記者が練習試合を見たからかどうかは分からないが、システム共々途中で差し替えが行われ、ここにきて情報戦の様相を呈している。今回は両方のシステムを想定してスタメン予想を図で表してみた。

福岡のスタメンはこれで間違えないだろう。太田は高さのオプションとしてベンチからのスタートになりそうだ。右サイドも山形恭平が間に合わなかったため、北斗がスタメンを張ると思われる。右サイドバックは宮本がでてくる可能性もあるが、福岡の練習試合ではほとんど川島が1本目に出ていたので川島が有力と思われる。

鳥栖のスタメンであるが、4-4-2の場合は誰がでてくるか分からない。九州学生選抜との練習試合でも前半と後半でレギュラーとサブ組という分け方であるような感じは持てなかったので…。

まずはFWだが、氏原のケガは既に治っているみたいだが、練習試合をあまりこなすことができなかったので試合勘がどうか。九州学生選抜との試合ではアシストが1つあったが運動量の面からも多少調整不足の感じがする。氏原が開幕までの期間でどこまで調子を上げてくるかにもよると思うが、常に出場してきた鈴木、新居の2トップの方が有力ではないかと思う。

トップ下は宮原で決定。両サイドだが、3バックのウイングバックは松本監督は攻撃型の選手を好むので小石と奈良崎(もしくは義希)。竹村も氏原と同様にまだまだケガ明けで本調子ではないと見た。4バックでは先日の練習試合では落合と義希が入っていたのでそのまま2人をスタメンにした。ボランチはよほどの事がないかぎりビジュははずせない。飯尾は最近疲れているとの事だったが監督の信頼も厚いためにダブルボランチの場合はスタメンには入ってくるだろう。

DFに関しては一柳はスピード、高さの両方の点で要となる選手である。山道も監督の評価が高まっているのでスタメンには入ってくるはずだ。問題は4バックのときだが、左サイドバックには練習試合の通りに矢野を入れたが、正直言って鳥栖にはサイドバックの専門家がいないために誰が入ってきても非常に不安である。

キーパーは練習試合では中林が出ていたがまだまだ実力ではシュナには及ばない。シュナのケガが癒えたばかりで実戦勘が薄いもののここではシュナがスタメンを張ると思われる。

◆ サイドの攻防

こうやって図を見比べてみると、3-5-2だと相手の両サイドに対して絶対的に人数が足りないのはシステム上やむを得ない。3バックよりも4バックのほうが両サイドの守備が安定しているように見える。4バックだと右サイドハーフに守備的な落合が入っているので特に落ち着いている感じだ。

しかしながらこれまでの練習試合ではずっと3バックでやってきたために急造4バックでは連携の面でかなりの不安が残る。九州学生選抜との練習試合では、サイドハーフとサイドバックがボールサイドにプレスをかけ、逆サイドのサイドバックがしぼって中をケアするというような組織的な形がほとんど見られず、ただ単に4人のセンターバックが横に並んでいるだけのような動きであった。(奈良崎だけはサイドバックらしい"寄せ"と"引き"を見せていたが)こちらからプレスに行って追い込んでボールを奪う形を作っていくというのはほとんど皆無に近く、なんとなくボールサイドでマークにつきながら相手がバイタルエリアに入ってきたところでつぶしにいくという受動的なディフェンスだったのでボランチと両サイドが引いてしまった状態でしかボールを奪えず、攻撃のスタート位置があまりに低すぎた。そこから前にだしても前線が薄いためにキープできずにボールポゼションを奪うことができなかった。ちなみにこの4バックの動きはくしくも福岡が初めてJ2を戦った年に藤崎がサイドバックをしていた時の状態を思い出してしまった。

もうひとつ難点があったのは、急造であったためにラインディフェンスを取ることができなかった事だ。鳥栖が九州学生選抜相手に取ったオフサイドはほとんどなかった。(逆に下司はことごとくオフサイドにひっかかっていた(笑))4バックでは相手の2トップに対してDFが余る形を作れないのでラインによるかけひきができないと有光の飛び出しを簡単に許してしまう恐れがある。ラインディフェンスができないのは致命傷になりかねない。

福岡はサイド攻撃を得意としているチームなのでサイドの守備ができなかったらあっという間にピンチを招くだろう。しかしながら逆に言うと、福岡はエジウソンがいないいま、中央からの崩しというのはほぼないと見てもよい。エジウソンのケガが完治せずに契約解除となったために林がポストの位置に入ると思うが、中央でキープしてためてスルーパスというスタイルではないためにサイド攻撃一辺倒になる可能性もある。サイド攻撃を展開するにしても一度くさびのボールがFWに入ってくるのでボールの奪いどころはサイドに展開される前のくさびのボールがFWに入った地点と考える。サイド攻撃は外→中→外の展開や、外→中→逆サイドでの展開が怖いのであって、一方のサイドのみでまわされても中で数的優位を保てばクロスをあげられても怖くはない。しかしながら個人技によるドリブル突破で抜かれたらすべては破綻してしまうのでそこは要注意だ。もちろん有光の一発の飛び出しにも注意が必要である。

後半に入っても試合が動かない場合は福岡は太田を投入してロングボールによるパワープレーに移行するかもしれない。有光に替わって太田という形になってくれたほうが逆に助かる。去年はDFに高さがなかったために増川のFWに完全にやられてしまったが今年は単純な高さでやられるということはないだろう。

◆ 筆者的希望スタメン

ということで、非常に差し出がましいことは理解しつつも筆者的希望スタメンは以下の通り。

まず、両サイドの選手は守備的な選手で固める。ドリブル突破力はないかもしれないが、落合はボールのキープができるし、村主は運動量も豊富でフリーランニングができる選手なので攻撃においても不自由はしないだろう。前線には福岡が前がかりになったときに両サイドのスペースをつきたいのでスピードのある新居をいれておく。鈴木師匠は確変中なのでこのまま確変続行している事を願う。ボランチは飯尾にするとどうしても守備一辺倒になりがちなので高林をいれてパスのつながりを重視。井手口をスイーパーにおいておくと守備における指示が他の選手よりもでるため入れておきたい(ポカがありませんように…)。スピードのある山道は有光、高さのある一柳は林をマンマーク。この陣容であったら高さ的にもスピード的にも福岡に負けないだけの力は発揮できるはずだ。ただし得点力も高いとは言えないために後半の中盤まで0-0で持っていて勝負できるようであれば小石、氏原、義希等の攻撃的選手を投入し1-0で勝つという形を作りたい。

…という妄想はこの辺にして、実際問題としてはシステム如何に関わらずサイドの守備とボールを奪うポイントをどのような形でとるかによって主導権を握ることができるかできないかが決まると思う。ここ数日は監督が福岡の特徴をイヤと言うほど教え込んでいるに違いない。開幕戦での勝利を期待しよう。

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2005.03.04 追記

昨年度のJ2リーグにおいて筆者が一番記憶に残っている福岡の失点パターンを図で表していた。博多の森球技場で行われた第22節のコンサドーレ札幌戦である。第22節といえばトミヲ様が菅野に決められたスーパーゴールの節としても記憶に残っている節なのだが(笑)

サイドへ展開する場面

得点の場面

多少ごちゃごちゃして見にくいだろうが全体の動きを表したかったのでご容赦頂きたい。

左の図はカウンターの場面。前がかりになった福岡のボランチとサイドハーフの裏をついて得点を取ったシーンだ。この日の札幌は3トップの布陣を引いていた。ボールを奪って早めにトップの選手に当てる。このときにアビスパは数的優位を保つために両サイドバックは上がっていなかったため、DFラインの4枚はそろっていた。

ここで右のFWが中央に寄せる動きをしたために左サイドバックのアレックスがつられて中央へとポジションを移す。このときに左サイドハーフである古賀と左のボランチは以前として戻りきれていない。トップの選手は中央のMFの選手に渡してすぐに右サイドに空いたスペースへパスを送る。札幌の右サイドの選手は勢いよく上がってきてそのボールをダイレクトで中へ折り返す。右の図はその折り返したときの図だ。左サイドにいた相川(登録はFWだったが位置的にMF表記している)は右サイドのスペースへパスがでた瞬間に猛然とゴール前へダッシュを行う。そしてクロスに対してどんぴしゃりのヘディングで先制点を奪った。その後は札幌が福岡の強烈な攻めをしのぎきり、1-0で勝利を収めた。

この得点は札幌の選手のあがりのスピード、早めのパス回し、そしてスペースを有効活用した非常に印象深いゴールであった。特にクロスがあがる場面では福岡の選手よりも札幌の選手の方が人数が多かった。小石や新居がこのような形でスペースをつくことができれば得点のチャンスは生まれるはずだ。鳥栖から見て左サイドは中村北斗、そして川島と比較的ディフェンシブであるためにスペースが生まれる可能性は低い。右サイドの宮崎とアレックスが飛び出したときにボールを奪うことができたらそのスペースをついて上図のようなチャンスは訪れる。明日の開幕戦もこのような形での得点を是非とも望みたい。