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Jリーグ Division2 2005シーズン
第1節 サガン鳥栖 1 - 1 アビスパ福岡 2005/3/5 ついに開幕戦がやってきた。筆者は興奮のあまり早朝に目が覚めてしまって二度寝することもできず、時間をつぶすために散髪に行ってから鳥栖スタジアムに11時半に到着。友人の到着を待ちながら鳥栖スタジアムを眺めていた。またここで一年間の熱い戦いが始まるのだと思うとチームが存続したことを改めて感謝したい気持ちでいっぱいになった。そして開幕戦の試合は九州ダービーの名にふさわしい熱い戦いになった。 ◆ 得点経過 スターティングメンバー
鳥栖は4-4-2の布陣で2005年の開幕戦をスタートした。登録は山道がMFであったが実際の布陣は図の通りだ。九州選抜との練習試合と同じ布陣で望んできていた。九州選抜との試合を演出したのは矢野。何とこの開幕戦も福岡の得点、鳥栖の得点共に矢野が演出していた。まさに矢野Day Vol.2(笑) 先制点は福岡に入る。左サイドからのスローインで林が受けに行ったために八田がマークにつき、矢野はポジションチェンジで中をしぼる。ボールはスローインを行った川島に渡りクロスを上げられる。クロスが上がった後、宮崎がうけるもののゴール前必死のディフェンスでシュートを打たせない。林はその間、ゴール前に詰め、八田は林のマークだったために同時に中にしぼってくる。その時に左サイドのスペースへ気を使うべきはずの矢野はゴール前を固めていた。流れの中でゴール前混線になりボールを見てしまうのでスペースを見れなかったのは仕方なかったかもしれないが、その後ホベルト→アレックス→ホベルトと渡り、左サイドでフリーで待っていた川島にボールが渡る。慌てて八田が詰めていくものの間に合わずクロスをあげられ、はじき返したところを再度川島の左足で決められてしまう。やはり怖かったのはサイドチェンジ。残念な一点を献上してしまう。 鳥栖の同点弾は後半に生まれた。竹村が入って攻撃の起点ができはじめたころ、矢野と竹村の突破からコーナーキックを得る。宮原のキックは福岡のすべての選手を越えてファーで待ちかまえていた鈴木師匠の元へ。師匠が左足で正確に落したところを矢野のシュートで同点!もちろん矢野の得点も素晴らしいものであったが、筆者はこの鈴木師匠の左足での冷静な落しの段階で決まったといっても過言ではないと思う。スポーツ紙は鈴木師匠のアシストも評価の対象として欲しかった。今日の鳥栖はセットプレイはすべて宮原が蹴ったが、試合終了間際の惜しかったフリーキックといい、今後に期待が持てるセットプレイだったと思う。 ◆ 福岡ツートップに攪乱された鳥栖ディフェンスライン 福岡がディフェンスラインでボールを回しているときは練習試合の通り、福岡は前線に4人が並ぶ形になっていた。そうすると鳥栖のディフェンスライン4枚と福岡の前線4人がすべてマッチアップの形になる。FWにボールが入ったときにつぶせるうちはよかったのだが、つぶすことができずにボランチを使われてサイドに展開されるとピンチの場面を迎えてしまう。サイドに起点を作られてしまうと2列目とサイドバックの飛び出しに対応できない状態になっていた。左サイドでは川島のドリブルを許してしまう場面、右サイドではアレックスを起点にパスを回される場面が顕著に目立った。監督は4バックにして相手と同じ布陣にすることによってゾーンといいつつもマンマークにつきやすい戦術をとったのだろうが、受け渡しとボールに対するプレスが甘い場面が多かった。下はディフェンスラインで数的有利を作りながら簡単に突破とセンタリングを許した場面である。 クロスがあがる前のシーン
義希、矢野と2人でボールの位置に行き、人数的には中も足りているが川島の縦の突破についていけず、クロスを上げられてしまう。このときのツートップの動きは図のようにお互いがクロスする状態でゴール前に入ってくる。この動きでマークすることができずにボールサイドによってしまってDFの2人もつられて林をフリーにしてしまう。有光がニアで受けるように出ていくがスルーしてボールはフリーで待っていた林へ。ここはシュナの鋭い飛び出してシュートコースを狭くし、足でのセービングでなんとか抑えることができた。このようにゴール前においての福岡ツートップの動きは息のあったプレイを見せていた。 前半17分頃。再び決定的なピンチを迎える。川島からロングのサイドチェンジが宮崎と山道の元へ。山道のカットが届かずにアレックスにボールが渡ってしまう。アレックスはすぐに林へくさびのボールを送る。このときにはいままでのようなプレスが掛からずにくさびのボールを受けた林が余裕で前を向いてしまう。そしてあわててプレスに行くもののそれが仇となってスペースをつくってしまい、有光へのスルーパス。ここもシュナの神懸かり的な好セーブでピンチを防ぐ。サイドチェンジで選手間の距離がばらばらになるとプレスをかけるべき所へ掛からない。実はこのときのアビスパのツートップの動きは林にボールが渡るときに、有光が一度サイドへ開いて林がボールを受けると一気に中央へと入ってきていた。これも鳥栖のDFがついていけない動きであったが有光のFWとしての動きの質は非常に高い。足りないのは決定力だけだった。 その後も林がうけてアレックスへスルーパスをだされ、山道が完全に裏をつかれてしまった場面があった。クロスの精度がなくて点には結ばなかったが林にボールを持たせて前を向かせると非常に要注意であった。序盤は福岡のツートップはこのように林が引いてきてDFを引っ張って有光が飛び出すという至極単純な戦術だったのだがその有光へのスルーパスがことごとく決まってしまって何度もピンチを迎えていた。 ◆ 中盤以降の落ち着き 鳥栖もシュナの活躍で目が覚めたのか段々と連携も整ってきた。序盤は丁寧に試合に入っていくために引き気味であったが中盤以降は鳥栖もボールを奪って攻めに転じる場面がでてきた。それはチーム全体のプレスが前線から効いてきて福岡がロングボールが多くなってきてからだった。福岡にロングボールをださせる要因となったのは紛れもなく献身的な守備を見せていた鈴木師匠の前線からのプレスであった。 プレスにかけるときの図
このような形で福岡のディフェンスライン(センターバックに限らずボランチやサイドバックも含む)からロングボールがだされても林や有光は落下地点に入ることができずに八田と井手口がことごとくつぶしていた。センターバックがロングボールに強い事で起点を作らせずにボールを奪うことが増えてきて段々と鳥栖もペースを握り出す。特に1点先制されてからの後半の鳥栖はボールを奪いたいためにプレスが前からかかったため、福岡のロングボールを誘ってボールを奪うことが増えてきた。このプレスは前半の序盤には見られなかったプレスであり、皮肉にも福岡の1点が鳥栖の守備組織を活発にさせたのである。この位置で跳ね返すことができると前半よりもボールが高い位置で奪えるために攻撃に転じることも容易であった。 ◆ 後半終了間際の我慢 同点後の配置
同点に追いついてからはまたもや前線からのプレスがなくなり、福岡のペースを迎えてしまう。福岡の中盤にスペースが与えてしまってロングボールが少なくなり着実にパスを回されてしまう場面がでてきてしまった。最後の福岡の攻撃はひやひやものであった。特にアレックスのクロスからの有光のフリーのヘッドはやられたと思った。中盤の選手のうち、特に飯尾はディフェンスラインに吸収されてしまって自分の役割を果たせていなかった。ディフェンスラインでのカバーリングを意識していたかもしれないが、それよりももう一列前でのディフェンスを意識してFWにボールが入ってきたとき等は前を向かせずにもっともっとつぶし役に徹して欲しかったと思う。宮原も引きすぎて攻撃に転じたときにスルーパスを狙ってもホベルトにつぶされる場面が多くてフリーキック以外にはゲームメイク的に力を発揮できたとは言い難い内容であった。 しかしながらこのような状況でも竹村のカウンター攻撃に参加するスピードは目を見張るものがあった。ドリブルでは対面した田中を完全にかわしきっていた。竹村のパスはミスが多かったように思えるが、竹村に対するフォローが少なかったという点と、あのパスが通れば一点物という狙いのパスが多かったためにパスミスもやむを得ないだろう。竹村はケガ明けにも関わらず少ない時間で印象に残るプレーが多かった。 もう1人のケガ明けの氏原は残念ながら攻撃の起点となりきれていなかった。ボールを奪う位置が低すぎてMFが攻撃に転じることができなかったことに起因するのだが、氏原がサイドでボールを受けて起点を作っても鳥栖のMFがゴール前にでてくることができずにクロスを上げることができない場面が多かった。氏原はくさびとして中央に張り、その周りを鈴木に動かせて自らはゴール前まで上がっていくという場面を見てみたかった。 さて、開幕戦を振り返って見てみたのだが基本的にはやはりシュナの活躍がなかったら大量失点で負けていた試合であろう。次節の札幌戦はテレビでの観戦となるが是非とも勝利を期待したい。 ◆ その他雑感 バックスタンドから見ていたおもしろかったのは興奮して第4審判に詰め寄る監督を必死に制し、そして第4審判にひたすら謝りまくっていた岸野コーチ。監督の退場という危機を乗り越えたのは岸野コーチの必死のディフェンスのたまものであった(笑) もうひとつ、ふれておかないと行けないのはDJ YUYA。なんと福岡が博多の森で試合前の練習の時に入場曲として使用しているヴァンヘイレンのJUMPを流してしまった。それに応えるかのように曲が流れている間にスタジアムに入場してきた福岡イレブン。筆者も思わず『空気読め!(笑)』という発言をしてしまった。 「アビスパも頑張ろう」と言った鳥栖市長にはあえてふれないでおく(苦笑) |