Jリーグ Division2 2005シーズン

  第1節 サガン鳥栖 2 - 2 徳島ヴォルティス

2005/3/28

こちらの管理人様主催の元、こちらの管理人様らと共に徳島日帰り弾丸ツアーに参加し、徳島ヴォルティスとの試合を観戦してきた。午前3時に鳥栖スタジアムに集合して出発。道中は笑いあり、人生観に関する話有り、当然サッカーに関する話題もあり。様々な事をみんなで話しながら無事にツアーを終えることが出来た。30歳近くのこの年になってまたいろいろな話を語れる新たな仲間が出来たことを素直にうれしく思う。試合は残念ながら引き分けに終わってしまったが、まだ負けていないということを前向きにとらえ、来節こそはサガン鳥栖お得意である連勝ストッパーとなって京都をうち破りたい。

サイドの駆け引き

この試合も4バックで望むこととなり、注目された左サイドバックには飯尾が入った。前半はどちらかと言えば鳥栖が攻勢にでる。前半に攻勢にでることができたのはビジュと義希が前節よりも高い位置にポジションをとり、相手の両サイドを引かせることができたのが要因だと考える。

ビジュ、義希が前節よりも高い位置にポジショニングをとり、両サイドのウイングバックをひきつけることができたのでDFラインからサイドバックにボールが渡ったときに図のようにくさびをいれるスペースやサイドバックが上がっていくスペースができあがっていた。くさびをいれた後でも徳島はこのスペースを守ることができなかったため、この辺りの位置でボールを保持した鳥栖の選手はプレスが来ないまま前を向いてプレーをすることができた。徳島の両サイドが引いているためにセカンドボールも鳥栖が中盤で奪うことができ、ボールポゼションを高くすることができた。試合開始当初で感じたのはこれまでの試合に比べての徳島ディフェンス陣のマークの甘さ。バイタルエリア付近で鳥栖の選手がフリーになることが多く、自由に動くことができていたので得点のにおいは感じていた。徳島はイーブンの時間帯においては福岡や横浜FCのように前線からのプレスが鋭いわけではなかった。よって鳥栖がディフェンスラインから余裕でボールを回す時間ができ、義希とビジュが相手陣地深くまで位置することができた要因とも言えよう。もちろんこれまでと同じようにビジュと義希の運動量の貢献が大きかったからというのは言うまでもない。

前半は右サイドを片岡の突破を許してサイドからのクロスを上げられていまう場面があった。両サイドのハーフが高い位置へポジションを取るために逆に相手にとってもスペースをつくることになる。片岡のように早い選手からカウンターを受けることはしょうがないことだ。しかしながら1対1の局面において守備が軽い面が見られたのは残念であった。サイドの局面でボール保持者に対して飛び込んでかわされてしまうと一気にピンチを迎えることになる。

得点を取るためには人数をかける必要があり、多少の危険を冒さないと攻勢にでることはできない。前半は両サイドの駆け引きの面で優勢に立っていた。

◆ 2点目のシーン

2点目は宮原のフリーキックが相手DFにクリアされたところを飯尾が拾ったことによって、クロスからの義希のヘディングシュートによる得点につながった。実はフリーキックを蹴る前に飯尾がフリーキックが流れたときに備えて前へ位置をとるか、セカンドボールを拾うために後ろへ位置を取るか迷っていたのだがディフェンスラインから「下がれ」というジェスチャーを受けて後ろへ下がっている。その為に後ろからの鋭いダッシュからセカンドボールを拾うことができ、その勢いでクロスを上げることができた。この時に左サイド奥へとポジショニングをとっていれば義希の2点目が生まれなかったかもしれない。フリーキックの際はゴール前の選手にのみならず直接はフリーキックと関係ない選手のポジショニングも大事であることを再確認したシーンであった。

上げることができないディフェンスライン

後半は一転して守勢に回ってしまう。義希はこの試合では相対峙していた23番の金のマークにつくことになる。得点が欲しいために徳島は当然前がかりになってくる。このときに前半と逆に義希が前へ出てきた金に応対するためにディフェンスライン近くまで下がってきていた。飯尾との連携面においては特に悪いところは見られなかった。逆サイドにボールがあるときに飯尾がセンターバックの位置へしぼり、義希がディフェンスラインに入ったりとポジションのカバーもできていた。

また、ビジュは比較的前での守備ができていたが、落合がディフェンスラインに吸収されてしまっていた。落合は前半は守備時においてカバーリング等、ボールに絡むことが多かったが、後半はなかなか中盤での守備に参加することができずにボール保持者へのプレスは宮原が下がって行っていた。トップ下の選手がペナルティエリア付近での守備を強いられてしまうとボールを奪ってもつなぐことができずに結局FWへ向けてロングボールをけり出すことになる。その際にディフェンスラインを押し上げて相手FWの位置を下げることが出来れば良かったのだが、ディフェンスラインをあげることができない。こうなると前半に鳥栖が恩恵を受けていた中盤でのスペースが、後半は逆に徳島に波状攻撃のきっかけを与えてしまうことになってしまう。試合途中で松本監督から中盤の選手へ向けて何度も指示がだされていたがなかなか修正することができなかった。

確かに最終ラインに人数をかけていたために徳島がボールポゼションで完全に上まっても最後の局面でフリーでのシュートを打たせる場面というのはセットプレー以外にはなかった。しかしながら耐える時間があまりにも長すぎたために最後には耐えきれなくなってしまった。

◆ 選手間の声

シュナが上がっていった場面であるが、シュナが上がったときのがら空きのゴールのカバーにはいるものはいなかった。井手口のクリアが相手選手に渡ってしまったが故にダイレクトのシュートを打たれてしまった。このときに

1.シュナに対して「出るな」という声
2.シュナがでる時に八田、もしくは飯尾に「カバー行け」という声
3.井手口に対する「ボールを外へだせ」という声

どれかが出ていれば防げた失点かもしれない。対して徳島は

 
 片岡 「GKが出てきていたのは見えた。周りから『ダイレクト』という声が聞こえて、でもDFが2人いたので止められるのではないかな…と思ったが、入ってよかった。」
 

このように鳥栖DFのカバーが遅れた所を見越してからか、片岡は周りからの声によって八田のカバーが入る前にダイレクトでシュートを放ち、ゴールにつきさすことができた。鳥栖は声の連携がなかったために点を失い、徳島は声の連携があったために点を得ることができたのではないかと思った。シュナの飛び出し自体は悪いことではないと思う。ディフェンスラインの裏に出されたボールに対するカバーリングはコンパクトに中盤を保つ現代サッカーにおいては必須となっている。この局面はシュナの賢い時間稼ぎ後のパントキックを前線がキープできずに相手に渡ってしまったために、ディフェンスラインの背後を突かれてしまった。相手FWはシュナへプレスをかけて戻った直後であり、ディフェンスラインがオフサイドをとることができず相手FWと競争の場面になってしまったのが要因ともなっている。この失点は決してシュナだけの問題ではない。試合後のクールダウンの時間帯でなかなか動く事ができずにコーチから肩をたたかれ励まされていたが、気落ちせずに京都戦も好セーブを連発してもらいたい。

最後にひとつ気になったのは、守備の時間帯においてボールをタッチにだすというのがなかなかなかった事。ディフェンスラインを上げるため、攻撃を一度切らせて守備を立て直すためにはボールをわざと外にだすということも大事なのだが、中へ中へと蹴っていたためになかなか立て直すことができなかった。

良薬は口に苦し。この試合の引き分けをいい薬だと思ってリードしている場面で同じような展開にならないようにこれからの試合で生かしていけばよいと思う。強くなるためにはこういう試合を経験することが大事である。

◆ 選手雑感

★ 鈴木師匠
前線でのキープ、守備時の際のボール対するよせ、前を向いてのドリブル等々、二列目のフォローが少ない守備的布陣のFWとしては十分の活躍をしてくれたと思う。何よりパスのでどころのアンティシペーション(読み)がビジュ、山道に劣らない程の能力を見せていた。残念なのは攻撃で飛び出すスピードよりも守備に戻る鋭さの方が数段早かった面(笑)あのスピードを攻撃でも見せてもらえばと思う。

★ 飯尾
サイドバックとしての動きが試合をこなす毎につれて数段とレベルアップしてきた感がある。元々カバーリング能力とコーチングに長けている選手だけに攻撃面での能力が増せばおもしろい存在であるが、前半9分の場面に象徴されるようにスペースを見つけると鋭いドリブルで前線へあがったり、義希のヘディングのアシストをマークする等攻撃面でもかなりの成長がみられる。ボランチで使うとフィードに難があっただけにサイドバックとしては今後も楽しみな存在である。

★ ビジュ
運動量にまず脱帽。攻撃に守備にあらゆる局面で顔をだしていた。両サイドハーフの動きがカギを握る現在の戦術ではビジュ抜きの試合は考えられない。

★ 氏原
そろそろ焦りがでてくる頃かもしれない。ヘディングにおいては相手DFに幾度も競り勝つことが出来ていたが、足下でのボールキープにやや安定しない面があった。ポストプレーは鈴木にまかせてゴール前での仕事ができればいいのだがなかなかいいボールがこない焦りもあるだろう。1つのゴールで気持ちが乗ることができるタイプだと思うので京都戦こそは是非ともゴールという結果を残すことを望む。